【追記】2016/03/30
昨日書いたこの記事は、被害者に対する思慮不足な点などがあったり、その後に新たな情報が入ったため、全面的に書き直しました。
2014年に失踪した埼玉県朝霧市の女子中学生の事件の件。
3月27日、少女が東京都中野区で保護された。
そして、監禁していたと思われる寺内樺風(かぶ)容疑者が逮捕された。
首を切って自殺を図ったといい、血だらけのままで歩いているところを、静岡県伊東市で保護された。
寺内容疑者は2年前の 2014年3月10日、埼玉県朝霞市三原で当時中学1年生だった少女に声をかけた。
「お父さんとお母さんが離婚することになった。弁護士が保護してくれる」と言って車に乗せ、当時住んでいた千葉県稲毛区の自宅マンションに連れ去り、監禁したとされる。
失踪当時は少女の本名と顔写真が公開され、ネット上で検索すればすぐに見つかる。
ここでは、本人が未成年ということもあって、伏せることにする。
写真を見ると、かわいい女の子だ。
寺内容疑者の父親は、e防犯.comを運営する会社の社長だという。
現在は「メンテナンス中」が続いている。
http://www.e-bouhan.com/
寺内容疑者は千葉大学工学部に在籍して、通学しながら少女を監禁していた。
飛行機の操縦もやっていたというから、やはり裕福な家の育ちなのだろう。
疑問点
このニュースを知って、いくつか疑問に思うことがあった。
たとえば…
- 本当に2年間も逃げ出す機会がなかったのか?
- 少女を監禁したまま普通に引っ越しするのは、難しいのではないか。
このことは、「真実を探すブログ」でも問題視している。
saigaijyouhou.com
上記によると、寺内容疑者のアパートに住んでいる住人は、「外から鍵かける所はないと思うので何かを付けてたんですかね」と語っている。
寺内容疑者の部屋に宅配したことのある業者は、去年は男の子(寺内容疑者)がいつも出ていて、去年の途中から女の子がよく出るようになったと話す。
少女はいつもニコニコしていて、怯えた様子はなかったという。
この証言によって、通常の意味での「監禁」とは異なる形態の状態だったのではないかと推測される。
少なくともドアは自由に開けられたようだ。
28日に寺内宅が家宅捜索された際に、監禁のための道具などは押収されなかった。
また部屋の鍵は特殊な細工がなく、外から施錠しても中から解錠できるものだったという。
部屋にはPCがあって、使えるようになっていたらしい。
インターネットに接続して、友だちや家族にメールなどの連絡もできたかもしれないが、それも行わなかった。
単純な失踪事件ではない?
このような情報から、単純な監禁事件ではない可能性が浮上してくる。
寺内容疑者によるマインドコントロールで恐怖心を植え付けられていたため、物理的に自由に逃げられる環境だったが、実行しなかったのだろうか。
たとえば「逃げたらお前の裸の写真をネットでばらまくぞ」といった脅迫があった可能性もあるだろう。
捜査関係者は、「女子中学生に恐怖感を与え、逃げられないようにしていたのでは?」と、その方向で考えているようだ。
ここまで書いて、「報道ステーション」((テレビ朝日)でこの事件が取り上げられた。
犯行は計画的だった可能性があると?
2年前、彼女は寺内容疑者から、フルネームで呼ばれたという。
名前をどうやって知ったかは、わかっていない。
以上だが、どれが正解かは、現時点で得られる情報だけでは判断が難しい。
今後の動向を見守ることにしたい。
【追記】2016/03/30
昨日の記事を全面的に書き改めようと思ったきっかけは、下記のハフィントンポストの記事を読んだことにある。
この記事によると、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さんが3月30日に公式ブログを更新し、「『なぜ逃げなかった?』という疑問は止めて」と訴えたという。
「どれどれ?」と、尾木ママのブログ記事を読んでみることに。
トップページから「次の記事」をクリックして遡ること5~6ページ。
やっと該当の記事があった。
今日のブログ記事なのに、1日に何度も更新しているんだ。
ブロガーとして、見習わないとな。
以下に、問題の箇所を引用する。
(空行は削除している)
なぜ叩いたり大声上げなかったのか!?
なぜ積極的に逃げなかったのか!?
検証するかのような報道
間違いじゃないでしょうか!?
子ども事件では常に被害者がバッシングされるように思います
・いじめ問題では「なぜいやといわないのか」「断れない被害者にも問題があるのではないか」
・広島の冤罪進路指導自殺事件でも「なぜ万引きしてませんと否定しなかったのか」とバッシングされ、実はこっそり万引きしていたからではないのかとまで勘ぐり、非難もされました…
実に情けない…
まずなぜ子どもの言葉
子どもの辛さ
全面的に受け止め
しっかり聴くことに徹しないのか!?
うーん、たしかに。
私も「なぜ逃げなかったのか」と書いてしまった。
もっとも、少女を責めるつもりはなかったが。
なぜ逃げなかったのかと責めるよりも、逃げられなかった精神状態を理解してあげることが大切だろう。
さすが教育者、視点が違う。
「大人のゲスの勘ぐり」
止めてほしいですね
子ども目線
はい、わかりました。
ゲスの極みでした。
報道によると、寺内容疑者は「お前は借金のかたに捨てられた」と何度もウソを言って自分の言葉を信じこませようとした。
徹底したマインドコントロールだろう。
今日の日刊ゲンダイで、ジャーナリストの窪田順生氏はこう分析する。
新潟の少女は小学校時代に誘拐され、“逃げても無駄だぞ”“逃げたら、おまえの家族を誘拐する”と脅されたため、犯人が外出しても家から脱出できませんでした。恐怖支配を受けていたのです。しかも長期間のため、自分の家がなくなったかもしれないとの気持ちが湧き起こり、さらに脱出願望を押しとどめた。それでも少女は自分と家族の名前を忘れないよう、ノートに書き続けていました。今回の朝霞の少女は誘拐時13歳でしたが、やはり恐怖心を植えつけられ、犯人が大学に行っているときでも大声を出せず、逃げられなかったのでしょう。ただ、犯人には従順に接しながらも、いつか逃げ出そうとの意欲は失っていなかったと思われます。
www.nikkan-gendai.com
なるほど、同様の事件を追ったことがある人の洞察は鋭い。
今回は誘拐事件扱いで、少女の実名や顔写真がマスコミに流れた。
今後はマスコミはもちろん、ブロガーなども被害者のプライヴァシーを守って書くことが大切だろう。
少女にとっては、PSTDを癒やすことが先決だ。
少女をもつ親としては、どんな理由があっても、知らない大人についていったり車に乗ってはいけないといったことも徹底して教えるべきだろう。
うちの娘はまだ2歳そこそこで、言っても理解できないが、幼稚園に入る頃には教えないといけない。
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