このようなタイトルを付けると、またユタに会いに行ったのかと思われるかもしれないが、だいぶ以前の体験に基いてハピズムに記事を書いたという話だ。
ハピズムの記事は、最近は編集者から依頼されて書くよりも、私がネタ出しして企画してから書くという場合がほとんどだ。
この記事の企画はだいぶ前に出していて、夏休みシーズンの8月に掲載しましょうということになっていたが、割り込みで書いた記事が多かったこともあって、9月に入ってしまった。
興味がある方は、まずこちらの記事を 読んでください。
happism.cyzowoman.com
「ユタ」は蔑称的響きあり
この記事で書いたように、「ユタ」という呼称は琉球の歴史を通じて蔑称的意味合いが強いため、この呼び方はなるべく使わないようにしている。
もっとも地域によって温度差があって、たとえば奄美諸島では「ユタ神さま」と呼ばれ、蔑称的ニュアンスはまったくない。
自分で「ユタ」と名乗っている人は別として、会いに行って「ユタさん」などと呼ばない方が良いだろう。
また、昔から「男の女郎買い、女のユタ買い」などと言って、ユタに会いに行くことは、蔑まれることという雰囲気があった。
とは言いつつも、沖縄で死者が出たら、葬式の後でユタのところへ行くという風習は根強く残っているだろう。
そのような、ミーグソー(死んだばかりの霊)の口寄せを行うことは琉球シャーマンが誰でも行うのではなく、それを行う専任の人々がいるのだ。
宮古のカンカカリャ
なんで宮古には有能な人が多いのかな。
そう以前から思っていたけれど、いまだに結論が出ない。
AさんやBさんが膝を叩いて、本人の表現を借りると「拍子を取って」歌う唄は、本当に癒される。
あれを聞いただけで、高い飛行機代を費やして来た甲斐があったと思ったものだった。
宮古島というところは、やはり霊的に何か特別なものがある島のようだ。
ウタキなども、普通の人が決して入ってはいけない貴重なところもあるので、その辺は地元の人々によく聞いて行動してください。
「占い感覚」で行くべきところではない
ハピズム記事でもチクっと書いておいたが、こういうシャーマンには「占い感覚」で会いに行くのはオススメではないし、言葉や信仰の習慣を含めて、何がなんだかわからないで帰ってくるのが関の山だろう。
私も長いこと沖縄へ行っていないし、「有能なユタは?」とか聞かれても対応できない。
有能な人を探すには、地元の人々に聞いてみるのが最も良いだろう。
もっとも、現地へ行ってから探し始めるのでは、滞在期間などの関係で遅すぎるだろうが。
本当に人気のある人たちは、先の先まで予約で一杯だろうから、限られた期間では、会うことさえも難しいということになる。
「神に追われて」
特に宮古島の琉球シャーマンについて詳しく知りたいならば、必読の本がある。
民俗学の権威であり、自らも宮古島のカンカカリャ(ユタ)を研究した谷川健一氏が小説という形態をとって書いた「神に追われて」だ。
じつはこの作品には、ハピズム記事で紹介した「Aさん」をモデルにした女性が登場する。
この本は絶版で、Amazonではバカ高い値段が付いている。
谷川氏の全集にも収められているが、こちらは絶版になっていなくても、本来の価格がそれ以上に高い。
この本のことは、8年前のこちらの記事で書いている。
d.hatena.ne.jp
最後に蛇足的に書いておくけれど、スピリチュアルの「品評会」(?)みたいのがあるでしょう?
ああいうところは自分も何度か行ったことがあるけれど、そこで店を開いている人で、本当にすごいなと思う人はほとんどいませんでした。
まあ「狭き門より入れ」ですね。
もっとも、その道に入ったばかりの人は、ある程度そういう場が必要になることも、あるのかもしれない。
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